2016年3月発売の週刊誌で報じられて問題となった、山尾志桜里議員の「ガソリン代疑惑」。収支報告書に1年間で約230万円のガソリン代が計上されており、不自然に多いのではないかとの疑惑が持たれることになりました。
ガソリン代や乗っている車の燃費などを想定して計算した結果、1年間の走行距離は約21万キロメートルに達することになるようで、後追いの記事などでも、「これは地球5周分に相当する!」などと、鼻息荒く報じられました。
さてこの「地球5周分」ですが、何となくこれが凄い距離だというのはわかるのですが、実はこれが明らかに不自然なのかどうか、実はちょっとピンと来ないのです。
チリも積もればで、主に車で活動していて、しかも結構な距離を移動してる人って、意外とこういう距離になったりする場合もあるんじゃないか、と思ってしまったのです。
雑誌やワイドショーなどで「あり得ない距離」を強調するために「地球○周分」という例えを使ったりしてるわけですが、地球1周分の距離を体感した経験がないし、それを想像することも難しいため、逆に分かりにくい気がします。
そこで、問題になっている「21万キロメートル」を、もう少し想像の及ぶ例に置き換えてみたいと思います。
「21万キロメートル」を具体的な行動に置き換える
愛知県を拠点とする山尾志桜里衆院議員。
東京と地元との行き来を、主に車で移動するようなスタイルを取っていると仮定すると、永田町から名古屋駅前までの距離は、高速道路を利用して約345キロメートル。往復で約700キロメートル。
つまり、「21万キロメートル」は、東京と名古屋を「300往復」する計算になります。
1年間で東京と名古屋を300往復というのは、さすがに不自然に思えます。
何時間走れば「21万キロメートル」走行できるのか
ちょっと乱暴な計算ですが、車を走行している時の平均速度。これを、信号に止まったり高速に乗ってたりを全て加味して、ざっと「平均時速40キロメートル」と仮定します。
すると「21万キロメートル」は、「車に乗っていた時間は 5,250時間」に置き換えることができます。
これは1日約14時間20分。これを毎日365日続けてたら「21万キロメートル」。
これはさすがにキツい。不自然です。
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これでやっと「ピン!」と来ました。
今回はたまたま「地球5周分」というキャッチーな例えられかたをしていたので、山尾志桜里議員のガソリン代疑惑を取り上げましたが、これに限らず色んな方の収支報告書にも謎が多いみたいです。
困ったものです。